愛のマンション塾
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◆マンション購入コラム 第一回
中古マンションの選び方の基本①
INDEX
価値観に優先順位を付けるべし
都心型マンションか?それとも郊外型マンションか?
経年劣化しない価値を見定めよ
ワンランク上げるべきか、上げざるべきか、それが問題だ



価値観に優先順位を付けるべし。

マンションなどの不動産購入の機会は、人生の中でもそう多くはありません。
人生最大のイベントの一つといっても過言ではないかもしれません。
そしてそれは、ある意味その人あるいは、その家庭の「価値観」の再確認の機会でもあるのです。

たとえば、ご家族の自己居住マンションを購入する場合、同じ位の予算内に、
駅近でご主人の通勤には便利だが、買い物・通学には不便なマンション。
駅遠で通勤には不便、通学にも不便。ただし、買い物には便利なマンション。
駅遠で通勤には不便、買い物にも不便。ただし、通学には便利なマンション。

の3つのタイプがあったとして、あなたなら何番を選びますか?
選択肢は、あくまで上記の3つしかありません。しかも、3つに優先順位を付けて下さい。と言われたら。。

あなたが、男性(ご主人)なら、③→②→①の方が多いかもしれません。
つまり、③子供の通学最優先→②次に奥さんの買い物優先→①自分の通勤は我慢する。という選択です。

あなたが、女性(奥さん)で車がある方なら、③→①→②という方もいるかもしれません。
つまり、③子供の通学最優先→①次にご主人の通勤優先→②自分は車で買い物する。という選択です。

また、現状子供がいない共働きご夫婦なら、①→②→③という選択の方もいるかもしれません。
つまり、①通勤最優先→②次に買い物優先→③通学は考慮しない。という選択です。

そして、ご家族がマンションを購入する場合には、
これらの価値観の優先順位の確認が、後々、非常に大切になってきます。

人間の頭脳は、理性的にコントロールされていますので、はっきりと優先順位を理解すれば、将来の不満やあるいは、苦痛を我慢するといった、ネガティブな思考は少なくなります。ゆえに、ここで優先順位を曖昧にしてはいけません。
ご夫婦で何度も互いに納得できるまで話し合って、価値観の優先順位を再確認して下さい。
そして、ご夫婦共有の価値観の優先順位を決めて下さい。

特に、子供のいない家庭は、もし将来子供ができても、今の価値観を貫けるのか?など十分話し合って下さい。
もし子供が生まれたら、住み替えればいいなどと安易に考えずに、常に「終の棲家」を買うつもりで臨んで下さい。
こういった「価値観の再確認」こそが、後悔しないマンション選びの第一歩です。


都心型マンションか?それとも郊外型マンションか?

前記の通勤・通学・買物などの価値観とは別の切り口として、都心型か郊外型かの価値観判断があります。
「都会の魅惑性」を取るか、「自然環境の安穏性」を取るか、と言い換えることもできます。
これは、その人の生まれ育った環境の逆を求めるケースが多いと言われています。

ちなみに、わたくし「きくち☆しん」は、20才の頃まで、仙台市繁華街の稲荷小路の飲食店ビル内に居住していたため、
若い頃からやはり、郊外志向が強くありました。仙台三越まで徒歩30秒という便利さとは裏腹に、季節の花木一本ない環境が、無意識に自然を求めさせたのかもしれません。

さて、この都心型か郊外型かの選択は、一部親の通勤・買物を優先するか、子供の通学を優先するか、とリンクするところがあります。イメージ的にも、都心型選択派は、大人(親)の利便性や享楽性優先。郊外型選択派は、子供の成育環境や健全性優先といった感があり、子供のいる親の場合には、このようなイメージからも、理性的には、都心型マンションを選びにくいかもしれません。

いや、あるいは、理性的に都心型マンションを買わないのではなく、経済的理由が絡んで、郊外型マンションしか買えない。という本音も聞こえてきそうです。

それでは、もし、あなたが、経済的理由を考慮せず、夫婦と子供で暮らすなら、
都心型を選びますか?それとも郊外型を選びますか?

自分の心の奥底で、あなたは、都心型マンションの誘惑に勝てますか?
あなたは、あくまで、子供のために自分の欲求を殺せますか?
ここに、あなたの「本音の価値観」が必ず投影されます。

そして、都心型マンションの究極的スタイルとも言えるのが、都心型タワーマンションです。
2018年現在、仙台においても、タワーマンションの建築ラッシュは未だ続いています。それだけ売れている証拠です。
経済的事情さえクリアされれば、大人たちは、新たな「都会の魅惑性」に惹かれて、とめどなく夢を追い求めているのです。


経年劣化しない価値を見定めよ。

マンションを選ぶ場合、色々な条件を十分に検討する前に、建物を先に内覧してしまうと、どうしてもキッチンや浴室などの設備の新しさや部屋のインテリアなどの綺麗さに目が奪われ、たとえその他の条件があまり良くなくても、「アバタもえくぼ状態」となってしまい、「このマンションに住みたい」という欲求が先行してしまいます。

多くの不動産業者が、中古マンションをリフォームしてから売りに出すのは、そのためです。リフォームしていない中古マンションは売りにくいと口を揃えて言います。

しかし、ちょっと待って下さい。
新しい設備や綺麗なインテリアを見て「このマンションに住みたい」という欲求、
果たしてそれは、後々、後悔という大きな代償を払うようなことにはなりませんか?

よく考えてみて下さい。新しい設備や綺麗なインテリアは、いずれ時間と共に、経年劣化して魅力がだんだん薄れてきます。
住宅設備メーカーも目新しい新商品を次々に売り出して、今最新の設備だった物もあっという間に古く見えてきます。
これらに目を奪われてしまうと、キリがありません。
これらの価値は、いわば砂上の楼閣のような、うたかたの夢のような、あれよあれよと言う間に「経年劣化する価値」なのです。

一方、立地や階数、住戸位置、専有部分やバルコニーの広さなどの価値は、どうでしょうか?
新しいキッチンや綺麗なインテリアなどのように、決して経年劣化することはありません。
何年経っても、マンションが存在する限り、1年365日。春夏秋冬。朝昼晩。
立地や階数、住戸位置、専有部分やバルコニーの広さが変わることはありません。

室内はリフォームしてなくても魅力のあるマンションこそが、本当の買いの物件なのです。
表面のお化粧に惑わされず、その物件の「素性の良さ」を見極める目を、ぜひとも磨いて下さい。


ワンランク上げるべきか、上げざるべきか、それが問題だ。

今ここに、仙台市内で、迷っている2つの候補マンションがある。どちらも都心型マンションである。

Aマンションは、築20年近い14階建ての8階部分。これといって特徴的なものはないが、駅近5分の85㎡で、3,500万円。
そして、もうひとつは、ワンランク上のBマンションで、
築10年強の24階建てタワーマンションの20階部分。部屋からの景色が素晴らしい。駅から10分の75㎡で、4,500万円。
フラット35で借りると、Aマンションは月額104,000円の35年ローン。Bマンションは、月額134,000円の35年ローンだ。

俺の500万の年収で、Bタワーマンションがぎりぎり買えるかどうか?
いや、フラット35なら大丈夫。返済負担率からいっても35%以内だし、俺の属性からみても大丈夫なはずだ。
俺は、憧れのタワーマンションの20階を、何としても手に入れたいのだ!

しかし。。
ローンに通ったとしても、実質、手取り32万円から134,000円を引くと、残り186,000円となる。結構きつくないか。
一方、Aマンションなら、手取り残216,000円。月額3万円の違いは、結構大きいかもしれない。。


こんな時、あなたなら、どうしますか?

確かに、都心型タワーマンション20階の部屋には、経年劣化しない価値や魅力があります。
いや、多くの大人たちを幻惑する「魔力」すらあるかもしれません。

しかし、仮に住宅ローンが通ったとしても、このタワーマンションと引き換えに「35年間経済的に我慢し続けること」をトレードオフしたのでは、楽しいはずのタワマンライフも、色褪せてやるせないものになってしまわないでしょうか。
恐らく、憧れのタワー20階を手に入れた喜びや高揚感、優越感は、そう長くは続かないでしょう。

住宅ローンの借り入れの際、額面年収の30~35%の返済負担率などという基準は、あくまで金融機関サイドから見た基準であって、借りる側から見た生活の基準ではないのです。

年収にもよりますが、特に額面年収600万円以下の場合には、より細密に家計の収支を計算して借入金額(支払い月額)を決めないと、後々必要な生活費まで圧迫する結果となってしまいます。

わたしは、住宅ローンの適正借り入れ基準は、額面の年収基準ではなく、手取り額(1万円未満切り捨て)をベースに
●手取り月収39万円以下は、手取り月収の25%以下の返済月額
●手取り月収40万円以上は、手取り月収の27%以下の返済月額
●手取り月収50万円以上は、手取り月収の29%以下の返済月額
を推奨します。

上記の例でいえば、適正返済月額(35年固定/年利1.34%)は、手取り月収32万円×25%=80,000円となります。
よって、Bマンションでもなく、Aマンションでもなく、新たに2,700万円程度のマンションを再検討した方が賢明ではないでしょうか。


中古マンションの選び方の基本② へつづく。
中古マンションの選び方の基本③ へつづく。












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