高層マンションのインテリアは?


購入したマンションの引渡し1ヶ月位前になると、引越し業者の選定や今すぐ使わない衣類、食器、書籍等の荷造り、家具インテリアの家財道具の取捨分別(捨てるか、持っていくか)等、急にあわただしくなります。特に、今使っている家具・電化製品、カーテンやジュータンなどを、新居に持っていくか?はたまた思い切って捨ててしまうかは、主婦にとっては、家計のやり繰りの上でも、大いに迷うところだと思います。

「ダイニングセットを買い換えれば、最低でも5〜6万。カーテンは、まるごとオーダーすれば20万は下らない。後々は、買い換えるにしても、引越し当初くらいは、このまま使おうか」などとお考えの奥様も多いことと思います。でも、もしあなたの購入したマンションが11階建て(厳密には、高さ31m超)の場合は、ちょっと待って下さい。電化製品や家具は、問題ありませんが、カーテンやジュータン・敷物等の繊維製インテリア品は、そのまま使うことができないのです。なぜかって?それは、消防法による規制があるからです。

一戸建てと違って、集合住宅には、建基法や消防法により、種々の安全確保のための仕様規定・性能規定がありますが、この消防法による可燃性インテリア類に関する規定もその一つです。消防法第8条3他に、防炎規制の対象となる防火対象物についての条項があります。

それによると、
高さ31m超(11階建て以上)の高層建築物内で使用される(使用する階数に関わらず=つまり、1階のお宅でも)以下の可燃性インテリアについて、一定の「防炎性能」を有していなければないとされています。
         
          ・カーテン、布製のブラインド
          ・織りカーペット(通常のジュータン[だんつうは除く])
          ・フェルトカーペット(毛せん等)
          ・パンチカーペット
          ・ござ
          ・人工芝
          ・合成樹脂製床シート
 など

つまり、消防法上、11階建て以上(31メートル超)の高層マンションに防炎処理されていないカーテンやカーペット・ジュータンを持ち込むことは法律で禁じられているということです。これは、高層マンションの消火作業性や避難性の不利さを考慮して、可燃物であるカーテンやカーペット等にたとえ引火しても、燃え上がらず、他の部屋への延焼を少しでも遅らせることを目的としたものです。

それでは、あこがれの高層マンションを買ったがばっかりに、現在お使いのインテリア類は、すべて廃棄しなければないのか?家計の問題ばかりではなく、海外旅行で買った思い出の品だったり大切な人に貰った品等、特別に愛着があって、捨てられないものもあるかもしれません。そんな物まで捨てなくてはないのでしょか?

しかし、あなたにとって、そんな大切なインテリアを、消防法に抵触しないで持ち込む方法が一つだけあります。それは、当たり前のことなのですが、それらの物に防炎性能を付加すればいいのです。消防長官認定の防炎加工処理ができる大きめのクリーニング店に依頼すれば、消防法の規定する防炎加工(薬品塗布又は、浸漬)をして、「防炎マーク」を貼付してくれます。
これで、目出度く愛着の品を新居(高層マンション)に持ち込むことができるというわけです。
こうしてみると、あこがれの高層マンション住まいも、公共の安全確保のためとはいえ、法的にはめんどうですね。

PS.現在、高層マンションに住んでいるご家庭が、この法規を遵守しているか?遵守していなくて、消防署の改善指導を受けた方がいるかどうかは、定かではありません。よって、現実に、上記方法を必ず取るべきかどうかは、法規遵守に関わることなので、ここでは、オフレコとさせていただきます。防炎加工は、結構な金額がかかりますので、実際に依頼する前に、マンションの売主等に実態をお尋ねいただいた上で、あくまで、ご自身で判断してください。

尚、現在お持ちのインテリア(カーテン・カーペット等)を防炎加工をなさることにした場合は、防炎加工は、クリーニングをすると取れてしまうのでクリーニングの都度やらなくてはないことになります。(防炎加工代は、カーペットの場合で、クリーリング代プラス、1帖あたり1,050円程度が目安です)


※防炎加工カーテン・カーペット等には、材料の糸に燃えにくい繊維使ったもの(難燃素材)と防炎加工を施して、燃えにくくしたものがあります。







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 【その6】
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