昭和58年のマンション法(区分所有法)の改正時以来、管理組合法人となるためには、30人以上の区分所有者がいることが、前提条件でしたが、30人未満の組合からも法人化の要望が多かったことから、平成14年12月の区分所有法の改正時には、この人数要件が撤廃され、30人未満の管理組合も、法人となれるようになりました。
管理組合法人となることのメリットとしては、法人格を取得することによって、権利義務の主体が法人自体に帰属することになるため、不動産の登記・預金口座・電話加入権取得等が、法人の名義でできることや、管理組合で依頼した業務の支払い債務等が、直接的に区分所有者個人に及ぶことがなくなることなどがあげられます。
■管理組合法人
@区分所有者の頭数及び、議決権(共用持分等)の4分の3以上の賛成で、管理組合法人となれる。[ただし、事務所を定め、法人登記が必要]
A管理組合法人は、その名称中に必ず、「管理組合法人」という文字を使わなければない。
※管理組合が商取引をする場合、法人格があれば、その商行為は法人自体に及ぶので、取引の相手方も、取引相手が明確となり、安心して取引ができる。
※法人でない管理組合が、不動産登記をするような場合は、区分所有者全員の連名で行なうか、管理者の個人名で行なうかのいずれかの方法によるしかない。
■法人の理事・幹事
@管理組合を法人とする場合、理事(執行役)及び、幹事(監査役)を置かなければない。
A理事全員が、管理組合法人を代表する。(過半数決議又は、規約で、代表理事を特定することもできる)
B理事・幹事の任期は、2年以内とする。(規約で3年以内とすることもできる)
C理事が複数いる場合は、多数決により、組合事務を執行する。(規約で別段の定めをすることもできる)
※理事・幹事共、集会の過半数決議又は、規約で1名以上何人としてもよい。
※理事・幹事共、法人はなれない。また、理事と幹事の兼務はできない。
※幹事は、業務の執行において不正の事実を発見した時は、総会に報告しなければない。
※代表理事が決められた場合は、その他の理事は、代表権を有しない。
※代表理事を変更した場合は、2週間以内に変更登記を要する。
■法人理事の義務
@年1回の総会召集
A年1回の事務報告
B総会の議長になった場合の議事録作成
C規約・議事録(総会関連書含む)の保管・閲覧
D法人の財産目録作成(毎年度開始3ヶ月以内)
E管理組合名簿の作成(組合員の変更の都度、訂正必要)
※法人の理事は、非法人管理組合の管理者と同じように、善管注意義務を負う。
※CDについては、特に事務所に常時備えおく必要がある。