区分所有法(通称マンション法)は、昭和37年に民法(第208条)の特別法として制定されました。
以後、昭和58年と昭和63年さらに、平成14年に一部改正が加えられ、現在に至っています。
この区分所有法は、マンション所有者(店舗等所有も含む)の権利義務関係について、規定されたものですので、平穏なマンション生活がつづいている間は、まったくもってお世話になる必要のないもの(法律全般にいえることでしょうが)ですが、いざ何か問題が発生しかけた時には、トラブルを最小限に食い止めるために、とても役に立つ知識となりますので、マンション購入予定者の方も、ある程度の基礎知識は、是非身に付けてください。
ここでは、マンション居住者(購入予定者)が、通常、関係あると思われる事項のみ抜粋して、できるだけ平易に要約します。
■区分所有権(登記ができる専有部分の所有権)の対象となるものの条件
@1棟の建物が構造上、複数(2個以上)の部屋に分かれている。
<構造上の独立性を有している>
A上記複数の部屋が、独立して利用できる(直通の出入り口がある)
<利用上の独立性を有している>
B上記複数の部屋の所有予定者が、2人以上いる。
※上記の3つを満たせば、管理員室等も専有部分として、所有権登記できる場合もある。
■共用部分を利用する権利
○各区分所有者は、他の所有者(居住者)に迷惑のかかる行為を除いて、共用部分を通常利用
(日常生活上の利用)できる。
※通常利用とはいえ、共用廊下や階段等に私物(自転車やベビーカー等)を置くことはできない。
■共用部分の所有持ち分
○各専有部分面積(壁・柱・床等の内装材の内側部分=内法算定)の持分比率により決める。
※ただし、実際には管理規約で、専有面積算定も持分比率も、別に定められている場合がほとんどである
(専有面積算定は、壁芯算定/持分比率は、ある程度の端数処理)
※また、共用部分の所有持分は、単独登記ができない、専有部分の所有権に完全従属している権利である。
■敷地の所有権(定期借地権の場合は、賃借権)の持ち分
○各専有部分面積(壁・柱・床等の内装材の内側部分=内法算定)の持分比率により決める。
※ただし、実際には管理規約で、専有面積算定も持分比率も、別に定められている場合がほとんどである
(専有面積算定は、壁芯算定/持分比率は、ある程度の端数処理)
※また、専有部分と敷地の所有権一体化の登記(敷地権たる旨の登記)が、なされると(通常、分譲業者
が行なう)敷地の所有権(持ち分)も、専有部分の所有権に完全従属した権利となる。