■マンションの建替え
※マンションの建替えについては、平成14年12月の区分所有法の改正で、以下のような建替え要件(建替えのための条件)の
緩和がなされました。
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旧区分法 |
改正区分法 |
建替え理由 |
建物の維持・回復に過分の費用を要するようになった |
理由は、特に問わない |
建替え後の使用目的 |
建替え前と建替え後の主たる使用目的が同一であること |
建替え前と建替え後の主たる使用目的が違っていてもよい |
建替え敷地 |
再建建物は、従前の敷地と全く同一の敷地に建てること |
再建建物は、従前の敷地と少しでも重なっていればよい |
建替え決議 |
区分所有者の頭数・議決権(共用持分等)のそれぞれ5分の4以上の賛成 |
旧法に同じ |
※また、建替え決議のための総会召集手続きについては、今般の改正で、上記建替え要件とは逆に、以下のようにより
強化されることとなりました。
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旧区分法 |
改正区分法 |
総会召集通知の発信期限 |
総会の1週間前まで |
総会の2ヶ月前まで |
建替え説明会の開催 |
規定なし |
総会の1ヶ月前まで必ず開催 |
■売渡し請求権
最終的に、建替えに参加する者と、建替えに参加しない者が確定した場合は、建替え参加者は、建替え不参加者に対して、区分所有権(敷地利用権を含む)を自分に時価で売り渡すことを請求できる。 [ただし、参加不参加が確定してから、
2ヶ月以内に限る]
※売り渡し請求権は、建替え参加者(参加者全員から指定された者も可)が一人でも数人でも行使できる。
※建替え不参加者は、売渡し請求をされた場合は、拒否できない。
■再・売渡し請求権
建替え決議の日から、
2年以内に取り壊し工事がなされない場合は、建替え参加者は、建替え決議後2年経過後
6ヶ月以内に、売渡した区分所有権(敷地利用権も含む)を買い戻すための請求(再売渡し請求)をすることができる。 [ただし、建替えについて、訴訟中などの正当な理由がある場合は除く]
※自分の区分所有権が、すでに第三者に譲渡されていた場合には、その第三者に対して再売渡し請求(買戻し請求)を行使できる。
■団地型マンションの建替え[平成14年改正時、新設条項]
<各棟建替えの場合>
共有の敷地に、数棟の区分所有建物等がある団地型マンションで、一棟又は、数棟のみの区分所有建物を建替える場合は、以下の要件が必要となる。
@建替え予定の各棟の総会で、区分所有者の頭数・議決権(共用持分等)のそれぞれ
5分の4以上の賛成[
建替え決議]
A団地全体の総会で、団地全体
敷地の共有持分の
4分の3以上の賛成[
建替え承認決議]
※建替え等の区分所有者は、たとえ建替え決議に反対した者でも、建替え承認決議では、賛成したものとみなされる。
<一括建替えの場合>
共有の敷地に、数棟の区分所有建物のみがある団地型マンション(全棟分譲)で、かつ団地全体の管理規約に基づいて管理がなされている場合に限り、以下の要件を満たすことによって、全棟一括の建替えをすることができる。
@団地全体の総会で、区分所有者の頭数と団地全体
敷地共有持分のそれぞれ
5分の4以上の賛成の場合
A上記総会において、各棟単位の賛成者が、棟全体の区分所有者の頭数と敷地共有持分のそれぞれ
3分の2以上の場合